『きんしんかん:性加害のニワトリとたまご』

ある本がきっかけで、逃げるように東京に移住した日系アメリカ人の斎氣心。初めて心を開ける人に出逢うも、彼にDVをしてしまう。確執が長年ある母親のような自分に絶望した。原因は、母の「躾(暴力)」と女性ホルモンだと考え、低容量ピルYAZを服用したが、副作用で臨死した。古今東西の代替医療による精神治療を試行錯誤する中、幼児期に父親から受け始めた猥褻を自覚する。それでも問題が雪だるま化するため、両親に虐待の事実を問いただした。しかし己の被害を自他に明示できた瞬間、自分もきょうだいに性的加害をしていた記憶が蘇り...

⚠︎『セックス依存症』と性的虐待との関係

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【感想】「したくもないのにセックスをしてしまう」のは親からの性的虐待が原因だった 斎氣心
セックス依存症』斎藤彰佳(著)
 

 

「自分もセックス依存症かもしれない......」と私が初めて思い始めたきっかけは、漫画家・津島隆太さん。AbemaTVの変わる報道番組#アベプラに出演し、自身の性癖による苦悩について赤裸々に語っていた内容の過激ぶりに、はじめのうちは他人事のように聞いていた。でも途中から、彼と自分の共通点に気づき、まさしく自分が抱えている悩みと一致していることが解った。

彼と私には共通点がふたつある。
 
①先ず、セックスをしたくないのにしてしまう衝動を自制できない自分と葛藤すること。
 
②次に、幼少期に父親から性的虐待を受けていたけど、一時期それを忘れていたこと。

彼は精神治療や自助グループへの参加の甲斐もあって、性行為を断つことができているという。彼の自伝的コミック「セックス依存症になりました」でもその経緯が読める。

津島さんの漫画の監修をした精神保健福祉士の斎藤彰佳さんも番組に共演していて、医師の視点からこの精神疾患の定義や回復方法を解説した。私は斎藤さんの著書『セックス依存症』を読んで更に、自分も該当するのではないかと確信が強くなっていった。
 
そしてパートナーにその疑念を話すと、今ごろ気づいたの?と言わんばかりに驚くそぶりもなく「そうだと思っていたよ」と言われ、逆に私の方が驚いた。「えええ?でも私セックスしたいわけじゃないんだよ?」というと、「依存症ってそういうものでしょ」と言われた。確かにそうだけど......。反論したくなるのは、まだ納得できず、自分自身を受け入れられないからだろう。

しぶしぶ『セックス依存症』のp.5に書かれた「性依存症・自己診断のための10の質問」に答えてみた。すると当てはまった項目は9個(2問目以外全て)。ちなみにパートナーは0だった。
□あなたの性的な思考や行動に関して、誰かの助けが必要と感じる。
□性的な思考や行動をしているときのほうがリラックスできる
□セックスや性的刺激によって、物事の優先順位がしばしば逆転する
□自分自身の性的な思考や行動で制限したいと感じることがある
□何かに耐えられず、不安や孤独感をやわらげるためにセックスを用いる
□セックスの後、罪悪感や自責の念を抱いて落ち込む
□性的行動に時間を取られ、家族や身近な友人をおろそかにしている
□最近、性的行動のせいで集中力や仕事の能率が落ちている
□次から次への性的関係を持つ相手を変えている
□性的行動を隠すため、嘘をつくことがよくある
10中9個というと明らかなセックス依存症ということになる。まだ否定したくなっている自分もいるが、質問に答えてみて自分を客観視することで納得する自分の方が強くなった。
 
思い返すと、これまでほとんどの性行為が望まないものだった。唯一、率先してセックスをしたのが、現在のパートナーだ。が、それも彼から好意を感じるにも関わらず全く手を出してこないことが理解不能だったから。それこそ自分の承認欲求や好奇心を満たすために強迫的に性行為を率先したと言った方が的確だと思う。いずれにせよパートナーに出会う前も交際中も、性行為をしたくもないのに妥協して及んできたというのが、私の性的行動の特徴だ。

以下のページに書かれていたことにも共感した:

p.31 性被害に遭った女性が自傷行為にのめり込む

 

p.32 性的嫌悪があってもセックス依存症に陥る

 

p.45性依存に限らず、依存症者の生い立ちを聞くと多くの場合、崩壊家庭や、両親から無条件に受け入れられた経験の欠如、いわゆす機能不全家族の問題にたどり着きます。

 

p50 セックス依存症の女性には、家庭内の性的虐待や性犯罪被害など、過去の被害体験が大きく影響しているケースが見られます。