「やめて」・にげて・はなして。身内から子どもへの性犯罪:被害者から加害者になった私・犯免狂子が精神治療から学んだこと

4歳から父の猥褻・母の体罰が「愛情表現」と教わり、混乱の吐口としてきょうだいに性的・精神的な加害をしていことを治療中に自覚。3つの気づき:①家庭内で子どもへの性犯罪が、加害者の「無自覚」のうちに起きている。②性被害を否定することは、自己防衛本能が正常に作用しているからだが、否定し続けても苦しみは増す一方である。③被害を認めて精神治療を初めないと、被害者も「無自覚」のうちに自他を傷つけ加害者になってしまう可能性が高い。精神疾患「複雑性心的外傷後ストレス障害(C-PTSD)」歴35年以上。

【7】家財(火災)保険を見直す意義

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「地に足がついていない」と言われ続けてきたが、その意味さえ理解できなかった私が最近、「地に足をつける」ってこういうことかもしれないと思う経験をした。引越しの準備に当たって家財保険を見直すことにし、その過程で無駄な出費を削って固定費の削減に成功したうえ、それ以上のものを得たからだ。

 

私は10年前から、仲介会社が選んだ家財保険に加入していたが、更新の度に2.5万円近くの保険金をなんのために支払っているのか全く理解していなく、なんだかお金を垂れ流しているようなモヤモヤした感覚が募っていた。

 

勉強しているうちにYouTubeで『両学長リベラルアーツ大学』の火災保険についての動画に出会って、やっぱり過剰に支払っていたという疑惑が強まった。

 

例えば、地震保険(建物に関わるから大家さんが入っている)・風災(台風に脅かされたことなし)・雪災(都内で雪が降っても積もらない)・水災(4階だから洪水の心配なし)などはいらない。家財だって50万円分もない。しかも家財保険は契約書に「指定」されていない限り、自分で選んでも良いのだという。

 

管理会社に確認したら、「借家人賠償1000万円分あればよし」とのこと。

 

条件がそれだけだけなら、2年間で最安で6千円の家財保険がある。2年間で2.5万円との差額、約2万円。今の賃貸に住んで10年だから、計5回の更新で10万円も無駄な出費をしていたことになる。

 

最近、家財保険を使って原状回復費に当てられるということを知り、「不測または突発的な事故」を申告して修理費用を請求したら3万円下りた。それでも10万円から差し引いたらまだ7万円余る。

 

「不測または突発的な事故」とは、例えば襖やフローリングや壁に傷を誤ってつけてしまった時。でも安い家財保険を3社検討してみたらいずれも、対応していない。私としては自然災害とか大家さんから賠償責任請求されるような大袈裟な事故はほとんど心配していない。だから、いらないオプション(地震・水災・雪災など)を省いたうえで、修理費用が出る保険がいいと思っていた。

 

あとは、個人賠償保険(自転車事故で相手に怪我をさせてしまったなど)。ちきりんさんのVoicy「いる保険といらない保険」を聞き、個人賠償保険は安いし、万が一のために入っておいたほうがいいと思った。私は自転車をよく乗るため。で、家財保険に個人賠償保険も含まれることを知り、賠償金額を選んだ。自転車事故の慰謝料は2000万円〜2500万円程度で、過去には約9000万円の事例があると知ったので、1億円のものに入っておけば安心と思った。

 

以上を踏まえ、私が家財保険に求めることは以下の通り:

借家人賠償1000万円

家財保険50万円

個人賠償1億円

修理費300万円

これらの条件を満たす2社の保険の見積もりとった際、S社は約6,000円。R社は10,000円。

 

単純に金額だけを見たら、S社の方が安いからそちらを選んでしまいそうだが、R社を選ぶ価値はどこにあるのだろう。この疑問は、保険を総合的に案内してくれるFPのYさんが答えてくれた。Yさんは「立場上こういうことは言わない方がいいのですが」と前置きをしたうえで、S社は審査が厳しい傾向にあるという事例が多いという話をしてくれた。いざ保険金が必要な時に、お金が下りなければ保険に入る意味がないので、私は納得してR社を選ぶことができた。帰って彼氏にS社の話をしたら既に知っていて、有名な話らしかった。

 

結論として、2年間で1万円の家財保険に入っていれば十分であることがわかった。今入っているのは2年で2.5万円なので、固定費が2年で1.5万円浮くことになる。1年で考えると7.5千円。月で考えると625円。弁当1食分が浮いたという程度で、これを多いと思うか少ないと思うかは人それぞれだろうが、私には金額以上の価値がある。必要ないものにお金を払い続けるのは何円だろうが、気持ちの良いものではないから。塵も積もれば山となる。更新5回に渡り、不必要なものに計75,000円余分なお金を、知らないうちに払っていたことになる。

 

必要なものならいい。納得して払っているのならいい。でも「いらないもの」のために「知らないうちに」払い続けていた。この事実が、更新をする度に感じていた「なんとも形容しがたい気持ち悪さ」の原因だったのだと思う。精神衛生上の問題でもあったのだ。

 

今回、家財保険を見直すに当たって、計5社から相見積もりとった。ネットで自分でやってみたり、わからないと時は電話で案内してもらったり、代理店の方にメールで見積もりをしてもらったり。そして5社目の見積もりをとるに当たって、FPのYさんと対面することになった。正直、対面で保険の契約を結ぶとなると、それだけ手数料がかかるのだろうから、どうなんだろう?と疑心暗鬼な気持ちがあった。でも、実際はちょっと違った。

 

Yさんは、扱っている多数の保険会社から報酬を得る代わりに、個人客からは無償でコンサルを行うことで他社と差別化を図っている会社の社員。保険だけでなく、家計管理や資産運用まで幅広くアドバイスをしてくれるという。通常FPに相談に乗ってもらう際、2万円からるところ、いくら相談しても0円。私が「無駄に高い」「7万円も余分に払ってしまって悔しい」と思っていた保険金も、一部はこのようなサービスに使われているのかと思うと、悪い気はしない。むしろ、ありがたい!と思った。余分に支払ってきた家財保険を取り返す気持ちで、お金の勉強をさせてもらおうと思った。

 

しかも保険の方というよりもFPだからなのか、私の考え方に関心を持ってくれていたのも好印象だった。Yさん曰く「家財保険を見直す客は珍しい」らしい。だから、私がどういう考えで家財保険を見直そうとしているのか興味があったそうだ。

 

私はこう答えた。

 

私はワーカホリックだった過去があり、お金を稼いで貯める力には自信があったものの、お金を活かすことは勉強不足です。しかも自己肯定感が低く、誘いを断ることができず、貯金があっても欲しくないものに使って散財してしまうことが多々ありました。だからいくらお金があっても、自分のために活かせない状態では、意味がない。だから今は、依頼される仕事はよほどやりたい内容でない限りは「断る練習」と考えていて、時間と労力を自分自身を見つめ直すために使っています。今は仕事をしていない・できていない状態ですが、自己実現のための下積みだと考えています。今後、自己実現ができるようになれば自然とお金も付いてくると思いますが、今から自分に必要なものとそうでないものを判断する練習をしておきたいと思っています。今回の家財保険の件も、自分に必要なものとそうでないものを理解する機会にしようと考えました。

 

このように話すと、Yさんはとても納得した様子だった。私も自分が考えていることを話せてスッキリした。

 

家財保険を見直す作業は、大きな目標を達成することとは異なり、とても地味な作業だけど、自分自身の価値観を知る機会となった。その過程で、今後もおつきあいしたいと思えるFPの方と出会い、お金と上手な付き合い方を学ぶチャンスまで掴んだ。

 

「地に足をつける」ってこういう小さい一歩の積み重ねなのかもしれない、と思った。