「やめて」・にげて・はなして。身内から子どもへの性犯罪:被害者から加害者になった私・犯免狂子が精神治療から学んだこと

4歳から父の猥褻・母の体罰が「愛情表現」と教わり、混乱の吐口としてきょうだいに性的・精神的な加害をしていことを治療中に自覚。3つの気づき:①家庭内で子どもへの性犯罪が、加害者の「無自覚」のうちに起きている。②性被害を否定することは、自己防衛本能が正常に作用しているからだが、否定し続けても苦しみは増す一方である。③被害を認めて精神治療を初めないと、被害者も「無自覚」のうちに自他を傷つけ加害者になってしまう可能性が高い。精神疾患「複雑性心的外傷後ストレス障害(C-PTSD)」歴35年以上。

【25】ゲームのデータ2年分を消されても怒らない彼

f:id:twilighthues:20211118000211j:image私は9年前から、彼をどれほど悲しませていたかを気づいてもいなかった。

彼はとあるロボットゲームを小学生からやっていて、30歳過ぎた今も最新のソフトをしているほどのファン。

しかし一作目と二作目を十回づつクリアして強く育てたデータを保存していたUSBスティックを9年前、私に壊された。一作と二作を再びやりたくてもデータが復元できないから、弱いままで何度も戦わなくてはならなくて、ストーリーをサクサク進ませられない。

データを消された彼は当時、ショックを受け、今も悲しいはずだが、私を責めたりもしなかったし、怒ったりはしなかった。そして私はというと、自分がしてしまったことの重大さを気づいていなかった。

 

あっ!ごっめ〜んwって感じで笑ってたらしい。

 

酷い話だ、と今の私は自分でも思うが、正直言うと、事故のことをあまり覚えていない。内心(あなたの管理が悪かったんでしょ。またクリアすればいいじゃん)くらいにしか思ってなかったのだろう。潜在意識では(いつもゲームばかりして。私に振り向いてくれない罰よ、オーホホホホホ)とさえ思っていたのかもしれない。

 

時々、彼の口から私がデータを消した話が出てくる。

 

昨日は私が聞く耳を持ったからか、彼はこのゲームを十回クリアするのにどれほどの時間がかかったかを話してくれた。

 

なんと約500時間‼︎ 一生のうち約2年分の時間。当時はまだクラウドが浸透していなかったから、データの復元ができず、どうしようもないらしい。

 

逆の立場だったら。私が彼だったら、ブチ切れながら、その悲しみを表現し続けていたはず。そして彼にその罪の重さを力説しようとする。そして、理解されないことに対して更に立腹しながら泣くだろう。

 

彼は言う、任○堂でそのゲームができれば、新しい気持ちで一作と二作に再び挑戦したい、と。でもその願いが叶う確率は低いらしい。

 

私にできることは、彼の悔しさに、耳に傾けて共感することだけだ。