『きんしんかん:性加害のニワトリとたまご』

ある本がきっかけで、逃げるように東京に移住した日系アメリカ人の斎氣心。初めて心を開ける人に出逢うも、彼にDVをしてしまう。確執が長年ある母親のような自分に絶望した。原因は、母の「躾(暴力)」と女性ホルモンだと考え、低容量ピルYAZを服用したが、副作用で臨死した。古今東西の代替医療による精神治療を試行錯誤する中、幼児期に父親から受け始めた猥褻を自覚する。それでも問題が雪だるま化するため、両親に虐待の事実を問いただした。しかし己の被害を自他に明示できた瞬間、自分もきょうだいに性的加害をしていた記憶が蘇り...

【15】最高に幸せ

朝6時から陳皮を入れた朝風呂に入り、洗濯をし、朝ご飯(新米、平飼い卵、天狗納豆、黒ごま、油揚げの味噌汁、蕪の浅漬け)を頂いた。

 

出かけて、用事を済ませて、お昼ご飯にしようと、街を歩いたが、どこへ行っても美味しそうなもので溢れている。試して見たいものがあり過ぎて、歩いているだけで幸せ。

 

目移りして何が食べたいかわからなくなって、結局、何も買わないまま家に戻ってきた。

 

キッチンで天然水を沸かし、竹炭が練りこまれた五島の手延べうどんの乾麺を茹で、桜島の鳥の出汁に入れ、油揚げ、二期作の豆苗をトッピングし、八幡屋礒五郎の七味唐辛子を振って頂いた。

 

乾麺なのにツルンッツルンで驚いた。こちらは、武蔵小金井にある五島の手延べうどん屋さんで買ったものだが、(また行かないと、大切な人にも振舞おう)などと思いながら、美味しく頂いた。

 

書斎に行くと、太陽の陽気で満ちてぽっかぽかだった。本当に幸せ。(この幸せな感覚が薄れてしまう前に書きとどめておかないと)と思い、急いでパソコンに向かっている。

 

今日は、この家に引越してから初めて、来月分の家賃を振り込んだ。

 

彼氏と住んでいた騒音が酷く陽当たりの悪い狭い部屋にいた時は、今の半分の家賃を支払うのも惜しんでいたのに、今は気にいる場所にいるために必要な出費だと思い、気持ちよく支払うことができる。

 

2週間前にあの部屋から出て、ここに辿り着けて、本当によかった。

 

人生の蟻地獄でもがいていた私も、どん底で這いつくばることを辞めたら、案外身近な場所で想像以上に快適な暮らしができるんだ。不思議な感覚だ。