『きんしんかん:性加害のニワトリとたまご』

ある本がきっかけで、逃げるように東京に移住した日系アメリカ人の斎氣心。初めて心を開ける人に出逢うも、彼にDVをしてしまう。確執が長年ある母親のような自分に絶望した。原因は、母の「躾(暴力)」と女性ホルモンだと考え、低容量ピルYAZを服用したが、副作用で臨死した。古今東西の代替医療による精神治療を試行錯誤する中、幼児期に父親から受け始めた猥褻を自覚する。それでも問題が雪だるま化するため、両親に虐待の事実を問いただした。しかし己の被害を自他に明示できた瞬間、自分もきょうだいに性的加害をしていた記憶が蘇り...

【18】弟

♡弟と久しぶりに会った。

土日は13時から開店する居酒屋を予約。日本酒と、天然魚や在来種の野菜、青森の郷土料理やシャモロックなどが自慢の店で、美味しいと評判なだけでなく、全ての料理の産地が明記されているのが個人的には有り難く、迷わず選んだ理由。安心して料理をいただくことができるのは、このご時世、貴重だ。

実際どの料理もとても上品で熱燗と相性が良かった。特に印象深かったのが、本鱒。皮が炙られ、身はトロッとしていて、初めての味だった。あと茶碗蒸しにも癒された。

追加注文をしようとしたら、2時間近く時間が経っていたことに気づいて慌てた。15時から紅茶専門店ティールームを予約をしておいたので、急いで移動。

公園を見下ろすティールームはその佇まいから既に優雅。席に案内されてから2時間近く、様々なフレーバーティーが注がれる。数百のなかから約10種類ほどを試せる。スコーンも注文したら、できたてで熱々が出された。外はビスケットのようにサクサク、中はしっとり。生クリームなどを塗っていただく。「嗚呼、これが本来”スコーン”という食べ物なのか」と人生で初めて知った。

実際に初めてスコーンを食べたのは、中学生か高校生の頃。ロングアイランドにあるベーカリーで数年間バイトをしていた時。製造販売していたスコーンはポソポソで、その存在意義を全く理解できなかった。それ以来、食べず嫌いでスコーンに全く関心がなく、なんであんなものが巷でチヤホヤされているのか不思議でたまらなかった。それが今回、わかった。

しかし、こちらのスコーンは1個1,000円くらいするから、美味しくて当たり前というか、不味かったら怒るぞ、という値段。いくら美味しく焼き上げたとしてもスコーン自体にそれほどコストはかからないはず。紅茶もどれもおいしかったけど、サービングのテンポが早すぎて、一杯いっぱい優雅に味わう時間がなかった。とするとコストのほどんどは、明らかに多すぎる従業員への給料と地代だろう。ロケーション(窓の外の景色・建物の雰囲気・町の知名度)の価値を加味してやっとこさ、その値段に見合うのかもしれないと思えるレベル。この店がこのロケーションになかったら、この値段を払おうとは思えない。それだけロケーションと雰囲気を最大限、売にしている希少価値が高いお店ということで、今回の目的にはピッタリだった。

 

♡弟に会ってきたことを話すと、ハウスメイトのNSさんとKSさんから軽く質問責めにあった。

「どういうきっかけで会うんですか?」

「久しく会ってなかったから」

「どっちから誘うんですか?」

「だいたい弟から。私は自由が効くけど、弟は会社員なので」

ふたりは同時に驚いた。

「へぇ〜〜〜」

「おふたりはきょうだいで会わないんですか?」

「ないなー」

きょうだい仲が良くない人もいるんだ。そりゃあ、そうか。私は弟達とは仲良いけど、両親との仲は悪い。人それぞれだ。

 

私は、仲の良いきょうだいがいて、幸せだな、と改めて思った。

 

♡ハウスメイトのNSさんが、ショートケーキを私の分まで買っておいてくれた。買ってきてくれただけで嬉しいのに、お金を払うと言うと「いつも色々ご馳走になってるから」と言われた。私は「でも」と言って六百円をテーブルに置いたら、NSさんの顔つきが厳しかったので、「あ、困りますよね」と言ったら「ううん」と言ってくれた。私の受け取り下手を反省した。

 

そのまま、ハウスメイトのNSさん、TYさん、KSさんとお菓子を食べながら、好きなお菓子の話を0時近くまで話した。楽しかった。

 

私の好きなお菓子トップ3は、①チェダーチーズあられ②げんこつ③かたあげポテト