【16】自分のご機嫌を自分でとる
昨夜、彼とLINEでも通話でも話題がなくて、「付き合っている」意味がわからなくなった私。
「おやすみ」と言い合った後、彼が私と付き合うメリットがあるのかどうか不安になった。
そして、彼に電話した。
繋がらないから何回も電話をかけたけど、繋がらなかった。
益田ミリさん原作のコミックエッセイ「スナックキズツキ」のドラマを観ながら寝落ちした。
朝、目覚めてスマホで時間を確認すると9時過ぎだった。4時ごろに彼から着信があったことに気づいた。
彼はすぐに電話に出た。
「昨日はごめんね、何回も電話しちゃって」
「あー寝てた」
「そっか。なんかね。私たちお互いに話すこともなくて、なんのために付き合っているんだろう?って不安になっちゃったの。」
「”保険”でしょ」
「”保険”じゃないってば」
「また浮気して、別の男のところにいっちゃうんでしょ」
「浮気はしたけど、あなたから離れたいと思ったことはないし、別の男のところに行きたいと思ったこともない。何度も言うけど保険って思ったことない」
「あなたがどう思おうと、僕には関係ない」
「あなたがどう思っても仕方がないけど、私は一生かけてあなたの信頼を回復するつもりだから」
「ふーん」
「で、聞きたいんだけど、私と一緒にいるメリットってなに?」
「メリットなんてないよ」
「メリットがない?じゃなんで一緒にいるの?」
「んー。マスコットだから」
「マスコット?」
「マスコットって、存在が賑やかじゃん。安心するじゃん」
私は彼にとって安心できる存在なんだと知って、嬉しかったけど、疑問もある。
「そうか。でも私はあなたの心を傷つけてくるマスコットだよ」
「そうだね。以前あなたはレイプは魂の殺人って言ってたじゃん?浮気もそんな感じだよ」
「でしょ。そんな危ない存在を近くに置いていていいの?」
「それでも、あなたには僕を殺せないという自信があるから大丈夫。」
「殺す?殺せるわけないでしょ」
「でしょ」
「マスコット役は誰でもなれるものじゃないの?職場の人とか」
「職場では建前で話すからだめ」
「マスコットは本音で話せる相手ってこと?」
「本音っていうか、リラックスしているときに声を聞くと安心できる相手」
「私の声を聞くと安心するの?」
「あなただけじゃないよ。妹も」
「でも、私いつも怒ってばかりじゃん。私の顔色伺っているじゃん。安心しているようには見えない」
「いつ怒り出すかわからないもんね」
「だけど怒っていないときは安心するの?」
「うん」
私が機嫌のいい時は彼に「安心感」を与えているらしい。
自分の機嫌を自分でとれれば、彼との関係を良好に保てるはず。
頭ではわかっていることを行動にどう落とし込もう。
そんなことを考えながら郵便受けを見たら、先日注文したコミックエッセイ『メンタル強め美女白川さん』が届いていた。気持ちが上がった。
白川さんは外見も中身も美人。その分、僻みや妬みの対象にされることが多い。けど、彼女のメンタルの強さはそんなエネルギーを華麗に跳ね除けてしまう。そして彼女と関わりを持つ周りの人の心が和んでいく。
私が目指すのは、白川さんみたいな人だ。白川さんは人の悪口は言わない。代わりに人の長所を認め、伸ばしていく力がある。
安心感。
私も彼から安心感を覚える。彼が気持ちを伝えてくれたり、笑っていたりすると安心する。