『きんしんかん:性加害のニワトリとたまご』

ある本がきっかけで、逃げるように東京に移住した日系アメリカ人の斎氣心。初めて心を開ける人に出逢うも、彼にDVをしてしまう。確執が長年ある母親のような自分に絶望した。原因は、母の「躾(暴力)」と女性ホルモンだと考え、低容量ピルYAZを服用したが、副作用で臨死した。古今東西の代替医療による精神治療を試行錯誤する中、幼児期に父親から受け始めた猥褻を自覚する。それでも問題が雪だるま化するため、両親に虐待の事実を問いただした。しかし己の被害を自他に明示できた瞬間、自分もきょうだいに性的加害をしていた記憶が蘇り...

【10】出家

引越しどうしようか。

 

引っ越しても、彼氏とまた一緒に毎日暮らすことにしたら、私は今までのように甘えてしまい、彼の精神は更に病んでしまうだろう。

 

だから、わたしは別居をしながら、彼に会いに行きやすい距離に住んでもらえるとありがたいと思ってる。

 

でも、それは根本的な解決策になるだろうか。

 

私は交際・同棲12年の彼氏と末長く仲良くしたいが、その方法に苦戦している。最近まで、一緒に引っ越しすることを念頭に賃貸を探していた。でも仲良く生活できるイメージが湧く部屋が予算内ではなかなか見つからない。そんな「部屋」はあるのであろうか。そもそも問題は「部屋」なのだろうか。問題は「私自身」なのではないだろうか。

 

彼と出会ってから今まで、楽しい思い出も沢山あるが、根本的には彼を精神的に追い詰めてきた自覚の方が強い。そして、彼を傷つけてしまう自分が嫌で嫌で仕方がない。

 

私は、自分名義で借りている新宿区の1DK賃貸では落ち着けないため、長年同棲中の彼氏を残して、自分だけ武蔵野市のシェアハウスに引っ越した。1DKの部屋は、4階の南東角部屋なのにタワーマンションが前方左右に建ってしまってから陽当りが悪くなり、夜はマンションの外灯がカーテンを通して眩しい。それに大通り沿いで地下鉄が真下に走っていて工事も多いので、騒音が朝から晩までうるさい。

 

彼とは月に一回くらいの頻度で会っている。私の慢性的な鬱が比較的に軽減される傾向にある生理後一週間の間に行くようにしているが、私は毎回、騒音の酷さ、日当たりの悪さなどのことで彼にキレてしまう。加えて、彼は掃除をほとんどしないから、部屋は汚れていく一方で、私がシェアハウスに引っ越した後は主に部屋の汚さのことでキレてしまう。私も掃除が得意な方ではないが、そんな私から見ても酷い。他の人からみたら五十歩百歩かもしれないけれど。

 

私はその部屋から離れたくて離れたくて仕方がなくて、仕事がてら頻繁に国内外へ単身赴任していた。帰ってくると、いつでも歓迎してくれる彼に癒されて、惚れ直すと共に、部屋の汚さで呼吸困難になり身も心も休まらず、ひたすらディープクリーニングに追われて、結局いつものイライラの日々に戻っていた。

 

彼は男ということで、家事などについて一切教わらずに生きてきた。その代わり妹は家事を叩き込まれていたという。私は、男尊女卑が代々根強い家庭で育ったことがあり、「女の子」として大層可愛がられて育った割に、やりたいことが芽生えた頃には「女」という理由で全て却下されており、女である自分を呪っていました。

 

女であることを呪い、男に憧れていました。私がよく知っている男(父親)は、4歳の私の陰部を触るという行為をし、私に不快感・恐怖・混乱・不信・不安を加えてまで、自分の保身をし、女性を支配することを自慢するような人でした。女は自由がないが、少しでも男らしくなれば自由が手に入ると思いました。しかし女の私が、男の真似をしたら、男と同じ行為でも罪とされました。

 

私は窮屈で退屈で暴力的な家を出て、自由を求めました。そして自由をくれる男性に出会いました。その人が彼氏です。私は、父親が私にしてきた暴力、母親にしてきた暴力を彼にしました。私は自由、彼は何をしても受け入れてくれる。でも、両親が振るってきた「自由」という名の暴力は、幼い頃から私を苦しめたように、彼を苦しめました。私は、大嫌いだった親の暴力を、大好きな彼に振るっていました。大好きな人が苦しむのを見るのは、辛い。私が過去に受けてきた暴力よりも、今、振るってしまう暴力によって彼を傷つけてしまうことが辛い。私はより自分の過去を恨みます。でも、それでは何も変わりません。親を恨んでいたら、いつまで経っても私は、大切な人を不幸にしてしまい、自分も不幸になってしまう。でも、私には親から教わった暴力を使わない方法で人と接する方法を知りません。

 

自分を変えたい。

 

 

今→?→出家→安楽死

これからどうする。

私は彼に精神的な負担をかけていることを悔やみながら、彼から離れる勇気がない。

彼のことは好きなのに、嫌われるようなことをしてしまう。

 

出家とは、

自分の過去の体験とか経験とか得てきた知識とか身についてしまった習慣という

自分の殻をかなぐり捨てて、出ていく。

つまり自分が自分から出ていく行為

出家をするのに準備はいらない。

出家をするというのは、自分が本当に過去の自分をかなぐり捨てて、自分の殻を破りたいと思ったその時にその時から、何の準備もなく、何の道具も要することなく、何の知識も要することなく、本気で出家をしようと思ったら、その時点で出家なのです。*1

「大愚和尚の一問一答」より

 

出家する

自由になる

自分とは己に由る

自分に頼る

頼りになるべき自分をつくる

自分に頼る

寄りかかるべき自分をつくる

 

経済的な自立

精神的な自立

 

 

 

 

 

*1: