『きんしんかん:性加害のニワトリとたまご』

ある本がきっかけで、逃げるように東京に移住した日系アメリカ人の斎氣心。初めて心を開ける人に出逢うも、彼にDVをしてしまう。確執が長年ある母親のような自分に絶望した。原因は、母の「躾(暴力)」と女性ホルモンだと考え、低容量ピルYAZを服用したが、副作用で臨死した。古今東西の代替医療による精神治療を試行錯誤する中、幼児期に父親から受け始めた猥褻を自覚する。それでも問題が雪だるま化するため、両親に虐待の事実を問いただした。しかし己の被害を自他に明示できた瞬間、自分もきょうだいに性的加害をしていた記憶が蘇り...

【10】これまでの私を捨てる

彼の笑顔を見るのが大好き。

 

思わず写真を撮ってしまう。

 

その笑顔を自分の手で奪ってしまった。

 

私は彼がやりたい仕事を辞めさせてしまい、何度も浮気を繰り返した。

 

私は彼を傷つけ、結果、近づけなくなってしまって、寂しい。

 

けれど、私が仕事で長期的に離れても、浮気をしても、一途に私の帰りを待っていてくれた彼はもっともっと寂しかったはずだ。

 

これから、私は自分の習慣を変える。

 

これまでは、両親や家父長制社会を恨んでいた。

 

でも、私は親でもないし、家父長制社会の弱者でありながら、自分の愛する人を同じように傷つけてしまった。

 

私は、親と同じになってしまった。

 

それは、親を許そうとしていたからだ。

 

でも、親がしたことは許されない。

 

私がきょうだいや彼氏を傷つけてきたことも許されない。

 

許されないから、これからは違う生き方をしよう。

 

これまでの私を捨てる。