19 鬱→鳥居みゆき→性被害→精神病→
鳥居みゆきが好きになった話
人の負の感情への共感力が深い
「鳥居みゆき」の顔がとつぜん浮かぶ
今朝もベッドで鬱々とし、自分の過去への執着心について、スマホでブログを綴っていたら、突然、お笑い芸人・鳥居みゆきさん(以後、敬称略)の顔が浮かんだ。
......え?......鳥居.....みゆき?......なんで?
驚いた。正直な話、彼女に興味がなく、よく知らない。何かに取り憑かれたかのような芸風には、わざとらしさを覚え「なんとなく苦手」と感じていたくらい。普段、彼女のことを考えることなんてないのに、なんの前触れもなく、目をカッと開いたあの顔を思い出したのだ。
「闇」と鳥居みゆき
彼女の容姿や言動から醸し出される闇......ダークさにヒントがあると思った。私自身、「闇の深い人間である」自覚があるからか、その要素には以前から同類の香りを感じざるを得なかった。
闇......。となると「過去、虐待を受けたことがあるのではないか?」と仮説が直ぐに立った。早速、ネットで「鳥居みゆき」「虐待」で検索。
すると、彼女が「中学2年の頃、コンビニの裏で知らない男に強姦された」ことを「レギュラー番組中に話した」というブログを見つけた。「芸能ニュースサイトが報道した」という情報もあるけれど、私には裏付けが取れなかった。でも事実なら、闇や狂気を感じさせられる彼女の芸風には納得いくものがあると思った。初めて、鳥居みゆきに親近感を覚え、興味を抱いた。
「素」の鳥居みゆき
彼女のことをもっと知るために検索すると、鳥居のチャンネル『鬼女の館』を見つけた。チャンネル発足の話をスタッフから持ちかけられている彼女は、どちらかというと「素」で話しているようにみえ、好感度が上がった。私が生理的に受け付けられなかったのは、あくまで彼女の作り込んだハイテンションな演技だったのだ。おそらく「素」の状態に近い彼女が憂鬱そうに発する言葉には「本音」が見えるようで、そこには興味を持った。
「性被害者」と鳥居みゆき
色々ある動画の中で「性被害・精神病」と赤文字で書かれたサムネをクリック。*1
「視聴者の病みに寄り添う 闇共感室」「死にたくなったら一緒に死ぬよ」などという文言も並んでいる。
この動画を観てわかるのは、鳥居みゆきが持っている「人の負の感情への共感力の深さ」だ。共感力に乏しい某男芸人が場を荒らす尺は、玉に瑕ではあるが、強いて言えば、彼女の能力をより一層、引き立てていると見ることもできる。
動画内で交わされた言葉を引用しながら、私が感じたことを以下に書いてみた。
「どん底のとき、何を考えて生きてきたのか知りたい」
これは、鳥居の一ファンの30歳女性・野良猫さん(以後、敬称略)からの悩み相談。
生まれつきの発達障害が、その後の被害から様々な病気を発症し、複雑化してこじれて重症化しているという。幼少期から、精神疾患の治療を続けているが、医者からも、トラウマ治療について「そこまでの対応できる人がいない」と言われ続けているという。自殺を図ったりしながらも、耐えられない日々を生き延びている。
鳥居は「私ももう、騙し騙しなんとか一日一日、朝がきている」と共感。そして恐る恐る「トラウマ」について聞いた。
野良猫「内容とか何をされたかというのは、体調のために深く話すことはできないんですが」
鳥居は「あ、そうだよね」と寄り添う。
野良猫「ざっくりと話すことは全然できるんですけど」
「無理しないでよ」
口を挟んだのはゲストとして呼ばれた某男芸人。
野良猫「ざっくり話すことはできるんで」
野良猫は、幼少期より親戚数人から性虐待や、親から虐待を受けていて、トラウマから症状が悪化。「日常をどう生きていったらいいんだろうというくらい大変な状況」だという。
鳥居が「そっか」と彼女の話を一旦飲み込む。
一方で男芸人は、野良猫の話を聞いているようで全く聞いていない。
男芸人「あのー、鳥居みゆきちゃんのファンでしょ?」
(なんの確認?さっきそう言ってたじゃん)
野良猫「そうですそうです」
男芸人「お笑いとか好きなの?」
野良猫「実は、お笑い番組とかはを全然興味がないのに、なぜか鳥居さんだけ大好きになってしまって......」
男芸人「あーそれはそうなのよ、鳥居みゆきに対してお笑い番組が鳥居みゆきに興味がないんだから、ちょうどいい」
(はぁ???何言ってんの?)
意味不明ながら、なんとなくディスられているのを悟ったのか、鳥居は「酷い」とリアクションしてあげる。
男芸人は満面の笑みで「そんなことない、そんなことないよ、そんなことないよ」と言う。
鳥居は「ウザいな」と、当然なリアクション。
(この男芸人、相談者が死にたくなるまでに悩んでいるのに、何をふざけた真似してんだろう?自分は笑っているけど、面白いこと何一つ言っていない。そんなことにも気づいてない。野良猫に「お笑い番組とか全然興味ない」と言われて、名ばかりの「お笑い」芸人として傷ついたのか?自分で自分の面白くなさを立証してるだけじゃん。)
鳥居は「笑って病んでいるのをワーって解消できることないからね」と言い放ち、男芸人を睨みつける。
(的確。よく言ってくれた。)
それでも懲りず、男芸人は「あのねー、俺はねー、音楽が超好きなんだけど、ちょっと話していい?」と相談者に聞く。
(「いや、あなたの話はもういいから鳥居さんの話が聞きたいです」なんて相談者の立場上、思っても言えるわけないのに。脅迫にしか聞こえない。)
数秒の沈黙の後、野良猫が小声で「......はい」と言うが、その返事を待つ前に、男芸人は「音楽好き?」とすかさず質問する。
(また見当違いな質問かよ)
野良猫は「音楽好きです」と男の話に付き合ってあげる。
結局、男芸人は「ロックが悩みを解決してくれるみたいにいうけれど、ロックは悩みを解決しないの」「悩みなんて解決できないんだよね」と言ってから、「騙し騙し生きていくしかないんだよね」と自信なさそうに、鳥居さんの方を見る。
(これ、鳥居さんが3分前に言っていたことを周りくどく、分かりずらく、言っているだけじゃん。お前は理解力に乏しい平和ボケだから、この番組では力不足だと早く認めて、黙ってもう少し人の話聞こうか?)
鳥居「騙し騙し毎日生きているね」
野良猫「騙し騙しですね」
男芸人「好きな漫画とかある?」
(驚異の「見当違いの質問第3弾」。懲りないねーーー。コイツの頭の中、凄まじい。「お笑い好き?」「音楽好き?」「漫画好き?」今そういう話していないし、そもそも、お前の質問や意見じゃなくて、鳥居さんの話を聞きにきているんだよ)
野良猫「漫画というか......アニメ音楽とか......鳥居さんのことが大好きだったりするので、鳥居さんのDVD見たりとか......」
(野良猫さんは、察してもらいたかったに違いない、「早く鳥居さんと話がしたい、お前の質問や話はどうでもいい」と。)
鳥居「どんどん病んでいくよ(苦笑)」
男「でもさー結構、オレ悩んだ時思うのはー、好きな漫画家の新刊が来月出るからそれまで生きようとか?」
(ダーカーラー!お前の悩みなんて聞いてないし、所詮その程度なんだよ。引っ込んでろ!)
男芸人「好きな漫画とか、鳥居の新しいDVDが出るのが楽しみっていう気持ちはあるでしょう?」
レベルの低すぎる質問に返事するのに戸惑う野良猫。「......そうですね、あのー、とにかくそのー、こう、一つ一つ大きい期待とか回復を求めないで『今日〇〇見よう』とかそういうのは今までもしてきましたね」
(あなたの言葉はアドバイスにもなっていない)
鳥居「それがあるだけいいなー。だから私は逆なんだよね......。」
動画が始まってから10分30秒経過してやっと鳥居の話が聞ける。今までの男芸人の茶番はなんだったんだ?ゲストとして呼んだ手前、カットできないのかもしれないが、あまりにも酷すぎる。
鳥居「私は来月、〇〇が発売されるからって思うと、その直前に死んでやったらどうかって思っちゃうのよ。楽しい直前に。一番いい時に死んでやろうって思っちゃうから。一番楽しみを残したまま死ぬとずーっと一生焦らしたまま、楽しく死んだ後も生きていれるんはないかって思っちゃうの」
(途中、男芸人の否定的なリアクションがあるが、取るに足らないのでカット)
鳥居「それがあるだけいいな」
(あなたの悩みは所詮、お笑いや音楽や漫画の楽しみで解決できる程度の悩みなんだよ。幸せ者を否定する訳ではないけど、この番組はそういう人を相手にしていないから趣旨を履き違えるのも大概にしろよ)
鳥居「テレビもつけないで、音楽もつけないで、ずーっと正座でいて、朝5時になってるんだよ」
野良猫「基本そうなんですけど」
鳥居「そうでよね!」
(ほら、男芸人がいない方が会話が弾むじゃないか)
鳥居「ほんともう嫌になっちゃうよ」
野良猫「嫌になっちゃう。目から入る情報とか耳から聞く情報とかで余計に混乱しそうになっちゃって」
鳥居「そうそうそう」
こうやって、男芸人が冒頭の10分半の間に話したざれ言が全否定された。
鳥居は、ある小説で「一番欲しているのは静寂っていうCDだ」という物語の話をする。「本当にノイズがひどいんですよね」
(男芸人の言葉もノイズでしかない)
男芸人は「あーうんうん、わかるわかる」と言いながら、その小説の下りと野良猫や鳥居の心境と関連性まではわかるはずもなく、必死に顔を歪めている。人の話を聞く能力0、共感力0、ためになる発言力0だけど、なぜかプライドだけ高いんだろうな。見てて痛々しい。
鳥居「いろんな情報が入ってきて嫌になっちゃう」。
散々、彼女らにとって雑音でしかない情報のインプットを薦めてきた男芸人の顔はポッカーンとしている。
悲惨な状態を見かねたのか、今度は画面の外から番組スタッフが質問。「野良猫さんは、例えば外に出るとか、生活サイクル的には......ずーとお家にいたりする感じなんですか?」
(ウケる。スタッフの方がよっぽどまともな質問をするじゃないか)
野良猫「友達と会ったりも全くなく......さっき鳥居さんがおっしゃったみたいな感じで......無音でテレビもつけずCDもつけず」
鳥居「そう、一緒だね。同じ状態だよ。私も今日朝8時くらいまで......」
スタッフ「鳥居さんは仕事があって外に出るじゃないですか。だからそうすれば、そこでこうちょっと、なんていうか......」
鳥居「いや、息抜きにはならないよ。テンションが上がった分下がっちゃうんだから」
(いやーよく言ってくださいました。)
スタッフ「ずっと家にいた方がいいんですか?」
鳥居「家にいろとは言わないですけどね」と男芸人に振り向くと、男芸人がまた話し出す。
(まだ話すことあんの?もういい加減、恥晒すのやめときなよ)
男芸人「俺はスッゲー俺なんかにこんなこと言われたら迷惑だろうけど、俺は本当にすごい勝手なこと言うけど、いっぺん飯行く?って思っちゃうのよ」
(えええーーーーー!!!!!!絶対イヤだよお前なんかと。迷惑だとわかっていて迷惑極まりないことと言うんじゃねーよ。キッモ。こう言う勘違い男が痴漢になるんだよ。認知が歪みすぎている。なんでお前と飯いかなきゃならないんだ???一人で行けよ)
後輩などから悩みを持ちかけられると食事に連れて行くという男芸人。「俺いつも10人くらいと飯食ってるんだけど.......黙っててもいいし、俺黙っている時間も多いし......飯行ったからと言って全員と喋らなくたっていいし....誰かいれば気が楽なこともあるし」
(だから、その程度の悩みごとしか受けないお前の発想はペラッペラなんだよ。まだ気づかない?人間に絶望している人間は、誰かいるということでは解決されないんだよ。鈍感力だけは半端ねーな)
「飯行くって言いたいけど。迷惑かけられないし。こんなご時世(コロナ)だからアレだけど」
(救いようがないね、こいつ。コロナとか関係なく、お前と飯行くこと自体、想像しただけで虫唾が走るくらい迷惑なんだよ。おめでたい奴だわ、本当。)
「落ち着いたら行こうっか。俺なんかでよかったら飯行く?」
(お前なんかと行きたいわけねーだろ。余計気持ちが落ち着かねーよ。)
野良猫「私に?連れてってください」
(うっわー。かわいそうな、野良猫さん。社交辞令まで迫られて、お疲れ様です。)
男「でもどうする飼い猫になっちゃうけど」
(おいおいおいおいおい、なんで飼い猫になることが前提なんだ?性被害者にセクハラかよ。気持ち悪すぎる。)
野良猫「野良猫ですよ?」
(そうだよ、野良が自ら飼い猫になるわけねーだろ。どう考えてもおかしいだろう。「飼い猫にするよ」ならまだわかるが、その場合は強制になるから、お前は監禁したとして犯罪者になるがな。性加害者の思考回路まっしぐらだな。怖。)
男はしつこく「飼い猫になっちゃうよ」と言いながら笑う。
(何が面白いんだかサッパリわからない。この男、嫌いだわ。話聞かない、面白いこと言えない、気持ち悪い、しつこい。野良猫のトラウマがフラッシュバックしないか心配)
鳥居「たとえば私が病んでて(男の名前)に相談して、じゃあご飯行こうよって言って、絶対嫌なんですよ」
(素晴らしい。この男だから尚更嫌だと言わないだけ、大人だなと感心する)
男「でも、わかる」
(お前の「わかる」の信憑性のなさ。頭の悪さが強調されるだけだから、もう、何も喋らない方がいいってば)
鳥居は、心配してくれる人から「ご飯行くか?明日」などと言われると、「もう本当に気が重くて、そのLINEすらもう、早く既読にして返事しなきゃとか鬱陶しくなって、全部嫌になっちゃうの。なんでこんな誘いしてきたんだこの先輩ってなっちゃう」
(鳥居みゆきさん!!!!!よく言ってくれた。ありがとう!!!!!!)
男「わかる。それもすごいわかるんだよ」
(嘘つけー!!!わかるんだったら、「俺なんか」の分際で気安く飯行くとか誘うなよ。なんで学習しないわけ?)
男の例え話がしょうもなさすぎるので省略。
野良猫「死ぬことを詳しく考え出すと逆に落ち着いてくる」
鳥居「そうなの」
男「......」流石にノーコメント。あなたにはわからないでしょうね。
鳥居「突然ワーってなったりする」
男、真顔で「あるよあるよ」
コイツの「わかる」は屁のツッパリにもならないほど、実態がないから余計に腹が立つ。まーお前ほどバカならそれなりに生きるのも辛いのかもしれないけど、その鈍感力があれば無敵だろうね。
スタッフからそういう時はどうやって乗り越えているかという意味の質問を受ける。
(スタッフさん、この男と席交代でいいんじゃないですかね?)
鳥居「私はタバコ」
タバコを吸わないという野良猫に男が聞く「でもチョコレートとかは?」
チョコレートは好きという野良猫に男は「好きなものが一個あれば生きていく理由になるんじゃない?」
(乱暴だな、オイ。幼少期から性被害を受けた人がチョコを生きがいにして生きろと?雑すぎるだろう。糖尿病にさせる気かよ。なーんも考えていない。)
スタッフ「ちなみに野良猫さんは相談できる人がいるんですか?」
(またもやスタッフからのいい質問が、男の存在意義を揺るがす。)
野良猫「人は全くダメで、人間関係が全部壊れていっちゃうので......来てもらっているのも看護師さんだったりするけど......自分の本当の思ってる気持ちとかを.......」
鳥居「言えればいい」
野良猫「んーなんか......」
鳥居「合わないんだよ、そのカウンセラーさんが」と持論を展開。
野良猫「そうですか?どうなんですかね......」とイマイチな反応。
鳥居「会う人を見つけるの大変なんですよ。結局、ブログみたいなもんで、その人に見せる顔を作っちゃうんだよね」
野良猫「そうですそうです、その場その場の自分を作って......自分を演じる形になりますね」
鳥居「ってことは自分が主治医になるしかないんだよ......自分をわかるのは自分しかいないから、私は自分で解決しようとするよ」
野良猫「人と関わるとまた大変なことが起きちゃいますもんね」
鳥居「疲れるよ。人格作んなきゃいけないじゃん」
野良猫「そうです。本当そうです」
鳥居「それがストレスになるくらいだったら、何も相談しなくていいと思う」
スタッフ「実際に......死んじゃいたいみたいなこととかを思って実際にそう言う行動に走っちゃうこととかもあったんですか?」
(男はなぜこういう質問ができないのかね?「漫画スキー?」「チョコレートはー?」馬鹿か。)
首吊りをしたことがあったり、死にかけたこともあり、外で感情のコントロールができなくなって暴れたり、自傷他害の危険性があり、警察沙汰になって強制的に入院させられたこともあると話す野良猫。
男はポッカーンという顔をしている。
スタッフ「そういう行動ってどうすれば」
鳥居「私は毎日そういう衝動に駆られんるですよ。だけど、一歩踏み込めないでいるのは、やっぱり親とかの顔がチラつくんだよね。親とかが悲しむ......でも親じゃないにしても誰々が悲しむ」
(親からも虐待を受けていた野良猫にとって、死ぬ前にチラつく顔もないだろうに......。)
男「野良猫ちゃんの身に何かがあったら多分、鳥居も悲しむと思ったら、大好きな鳥居さんを悲しませることなんかできないやと思えるんじゃない?」
野良猫「そうですね。確かにそうですね」と複雑な声で応答する。
鳥居「でもさ......次死にたくなった時一緒に死ぬ?」
男「俺が止める」
(24時間一緒にいるわけでもないお前にそんなことできるわけないだろ。一言一句が薄っぺらくて、見苦しい。)
野良猫「鳥居さんは表現し続けてほしいなと思います」
鳥居「でも死ぬことが表現だとしたら死ぬよ」
男「アーティスティックな解答なし。死に向かう方向の話なし」と、理解できないくせに、否定だけは一丁前の男。
(お前も含め、生きとし生きるもの全て誕生したら死に向かうんだよ。なのに「死に向かう話なし」ってなに非現実的なことを偉そうな顔で言ってるんだ?お前には死にたい人の気持ちがわからないだけ、幸せボケしると自覚して、せめて生きることが辛い人間も世の中で共存していることを認めて少しは耳を傾けてみたらどうだ?)
野良猫「でもまさか1年前だったら鳥居さんと電話で会話できるとかも全く想像できなかったので......あの時死んでたら、鳥居さんと電話できなかったとかそういうことは思いますね」
(男は終始、蚊帳の外。乙。)
鳥居「でも毎日毎日、騙し騙し生きて寿命が来たら死ぬんだから。何にも楽しみなんてさ、今後別にないよ。ないけどみんな生きているんですよね」と男に振り向く。
楽しみがたくさんある平和ボケの男は口先だけの「そうだね」を言う。
鳥居「別に楽しみがあるから生きているわけではないもんね」と言いつつ「野良猫さん死なないでね、とりあえず、私の単独ライブもあるし」と励ました。「死にたくなったら一緒に死ぬね」。
野良猫は「すごい約束を」と言いながら笑っていた。
(鳥居さん、野良猫さん、スタッフさん、お疲れ様でした。私も男の気持ち悪い発言へのツッコミに疲れた。)
まとめ
鳥居みゆきの魅力は、控えめに言って、日本の芸能界では最も「人の負の感情への共感力が深い」人の一人だということ。
世の中「光」にばかり焦点を当て、「闇」はないことにしようとする傾向がある。芸能界は特に「光」の要素が強い。でもあいにく、闇を無視しようとすればするほど、闇は深くなり、死ぬまで生き地獄を彷徨っている人も大勢いる。その深い部分を共感するためには、ある程度、闇を経験しなくてはならないのではないのだろうか?
相談者は性被害者だったが、ゲスト出演した男芸人はまるで性加害者のようだった。その危うさは、男の共感力に乏しい無神経な言葉から滲み出ていた。男が今まで「漫画の新刊を楽しみに生きれる」ほど大した悩みもなく、幸せな人であることは否定しない。ただし、世の中にはもっと苦しい想いで辛うじて生きている人がいるということに興味がないから、あのような言動になるのだと思う。いくら本人が幸せを感じていたとしても、人の苦しみを分かろうとせず、無意識のうちに人を傷つけるならば、私はそんな「幸せ者」には断じてなりたくない。
誤解がないように当たり前なことを敢えて言うと、虐待に遭った人が必ずしも共感力がある・虐待に遭ってない人は共感力がないといえるほど単純な話ではない。虐待に遭ってなくても、聴く力や想像力を活用して被害者に寄り添える人だっているし、虐待を認識したくない被害者もいる。今回はたまたま聴く力も想像する力も乏しい、典型的な平和ボケがゲスト出演して番組を荒らしまくったというだけの話だ。幸せな人でも、病んでいる人の話を聞く姿勢、想像力、共感力を磨けば、男みたいな残念な生き物にはならないで済む。
男芸人の言動はどれも不快感極まりないが、世の中にはこういう人間ものうのうと生きてるんだな、恐ろしいな、と「見世物としての価値」は辛うじてあるのかもしれない。しかし、そんな奴は掃いて捨てるほどいるので、敢えて露出する必要性は極めて低いと個人的には思う。
ただし、この男を反面教師にして、こんな迷惑な人間にならないためにどうすらどうすればいいかと発想転換できる人が一人でもいたら、彼の出演も無駄にはならないのかもしれない。
芸能活動をしながら日々、絶望と闘っている鳥居みゆきに、話を聞いてもらうことで、同じように絶望的な人生の中で少しでも喜びを得ている人がいると知った。なんて素晴らしいことなろうと思う。
私は幼児期から30代後半まで、父親から性被害を受け、母親から体罰や精神的苦痛を受けたので、野良猫さんの絶望感が他人事ではないように聴こえた。だから、男の心ない薄っぺらい言葉に逆撫でされ憤りを感じざるを得なかった。
一方で、自分のことを棚に上げられない辛さもある。私も加害者になってしまっている。要するに男と同じくらい人を傷つける鈍感力を持った人間になってしまってるということだ。それは、自分の被害者としての辛い気持ちに蓋をしようとして、感覚を麻痺させていたため、なんかの拍子にその怒りが爆発する度、自分も加害者になるという仕組みだ。意識レベルではコントロールができなく、気づいた頃には相手を傷つけているから、生きるのが辛い。これはトラウマによる精神疾患。複雑性PTSDともいう。
私は鳥居みゆきさんの深い共感力を見習いながら、ゲストの男芸人みたいな「幸せな恥晒し者」にならないよう、気をつけようと肝に銘じた。
人の痛みがわかりすぎるほど辛い人生は嫌だが、
人の痛みがわからなすぎるほど幸せ(平和ボケ)には絶対にならない。
*1: