2)「臓器移植」に反対なワケ
彼 コロナの後遺症が問題になっているんだって。
私 コロナの後遺症ってどうなるの?
彼 動けなくなって、トイレも行けないから、介護が必要な人もいるんだって。
私 へーそうなんだ
彼 それにコロナにかかったことに気づかない人が7%くらいいるらしい
私 それは怖いね。知らないうちにコロナにかかって、後遺症で気づくってこともあるってこと?
彼 うん。心ちゃんはトイレ行けてる?
私 うん。
彼 じゃあ大丈夫だね。
私 なんか複雑。「あなたはトイレに行けるから恵まれているね」って言われてるみたいで。
彼 いういう意味じゃなくて、心ちゃんが気づかないうちにコロナになっていたら、僕もコロナになっている可能性があるじゃん。心ちゃんが鬱で身動き取れないと言っていたから、実はコロナの可能性もあるんじゃないかと思って。
私 そうか。人にほとんど会っていないから、コロナにはなっていないと思う。でも私のうつ病は確実に、あなたに影響しているのはわかるよ。下手したらコロナより怖い。私の鬱は子供の頃の性的虐待からきているからね。コロナ騒動の遥か昔からある問題だし、ワクチンみたいにお金儲けに落とし込める対策があるわけではないし、蔓延している割には話題にもさほどされないから余計辛いよ。
彼 これから良くなっていくと思うよ。今の権力者たちって「精神病」への理解がなかった世代だけど、その人たちが死んだ後は、精神病に理解のある世代が増えるはずだから。
私 そうね。世代交代したら「安楽死」への理解や可能性も必然的に広がると思う。これから安楽死ができる施設や国が増えても減ることはないと思うよ。そこには期待している。
彼 骨髄バンクとか、臓器移植についてはどう思う?
私 断固拒否。私は大前提として、大半の医者は傲慢だと思っていて、信用していないから。死んでからとはいえ、自分の体を好き勝手に切り刻ませて、その人たちの傲慢さに加担したくない。それに私の臓器がどんな人間に使われるかわからないじゃん。法で裁かれていないだけで犯罪者の可能性は十分あるし。それに純粋無垢な子供に使われたとしても反対。その子どもが延命できたとしてこんな世の中で、幸せに成長する保証なんてどこにもないから。
彼 僕も反対なんだよね。死んだら、その体は「もう休みたい」と言っていると思うんだよ。それを「次の現場」に行かせるのはブラック企業と同じじゃん。
私 そう思う。私は「臓器移植」「延命治療」は認めて経済回そうとする都合の良すぎる世の中で生きること自体に反対。「安楽死」も同じように認められるなら、考え直してもいいけど。
彼 死に急ぐことはないと思うけどね。
私 死に急いでいるわけではないよ。もうとっくに魂は死んでいるから体もついていきたいと思っているんだよ。死んだ体が「もう休みたい」と思うように、私の心は4歳の時から父親に犯され、それを否定され、セカンドレイプを繰り返される度に死んだと思う。4歳の時から何度も殺されたも同然なのに、それから30年以上も生き延びて、もう疲れた。寿命まで生きたとして、老いと共に私の回復のスピードは落ちる一方だと思うし、その間に加害者になるのももう懲り懲り。
彼 僕と出会えたからいいじゃん。
私 あなたと出会えたことは不幸中の幸い。
彼 でしょ。安楽死は否定しないけど、僕が死んでからにしてね。
私 うん。あなたが望むなら、あなたを看取ってからにしようと思った。理解に苦しむけど、私が側にいることで少しでも役に立つと思う訳でしょう?
彼 役に立つというよりも、寂しいじゃん。
私 寂しさを感じなくて済むから?
彼 いつも思うんだけど、自分から去るより、相手から去られる方が寂しいじゃん。
私 確かに。例えばどういうとき?
彼 あたながいつもどっか行くとき。
私 そうだったんだ。(私はしょっちゅう仕事や遊びで国内を飛び回っていて、彼は文句を言わず、いつも気持ちよく送り出し、出迎えてくれていた)
彼 これから出かけてくるから。またね。
私 うん......どこ行くの?
彼 コンビニまで。水道代払い忘れてたから。
私 そうか。ありがとう。