「やめて」・にげて・はなして。身内から子どもへの性犯罪:被害者から加害者になった私・犯免狂子が精神治療から学んだこと

4歳から父の猥褻・母の体罰が「愛情表現」と教わり、混乱の吐口としてきょうだいに性的・精神的な加害をしていことを治療中に自覚。3つの気づき:①家庭内で子どもへの性犯罪が、加害者の「無自覚」のうちに起きている。②性被害を否定することは、自己防衛本能が正常に作用しているからだが、否定し続けても苦しみは増す一方である。③被害を認めて精神治療を初めないと、被害者も「無自覚」のうちに自他を傷つけ加害者になってしまう可能性が高い。精神疾患「複雑性心的外傷後ストレス障害(C-PTSD)」歴35年以上。

「迷惑」カウアン岡本さんに怒る人と議論:ジャニー喜多川の児童性的虐待

ジャニー喜多川の性虐待を告発したカウアン岡本さんに対し、怒りを示している友人と議論しました。

 

 

友人の意見

①告発のタイミングが卑怯

ジャニーズ事務所のブランド力を利用する目的があり、性被害を受けると知りながら合宿に出入りし、売れた後になって15回も性被害にあったと告発するのは汚い。

ジャニー喜多川が生きているうち、あるいは芸能活動をやめてから告発するべき。


②事務所を罪に問うのはおかしい

ジャニー喜多川は死去しているので、今は事務所で被害者はいない。

③他のメンバーに迷惑

他のメンバーも性被害を受けていると告発することで、メンバーやその家族に迷惑がかかる。

 

私の意見:

①告発は自然の流れであり、早い方がいいけど、タイミングは自由

被害者に「完璧」を求めるなら、ジャニー喜多川が生きているうちに告発した方が......性被害を受けているその場で「やめてください」と言った方が......そもそもジャニーズに入所した後に、性被害の噂を聞いてネットで調べて知っていたくらいだったら、合宿所に行かない方が......賢明だろう。



でもカウアン岡本さんが、売れるために性行為を我慢したとしても、望んではいなかった性被害に対して、口を開けたタイミングでは事務所から独立していて、芸能活動を続けていることは、ジャニー喜多川と同罪にはならない。



そもそもカウアン岡本さんは暴露しようと思って告白をしたのではなく、ガーシーさんとの対談で、初めて自分に嘘をつかないで話そうと決めた際に、聞かれた流れで全部話したという趣旨をTikTok説明している。

 

そこから、文芸春秋から取材を受け、FCCJで会見をしたのも、真実を知りたいという国内外からの需要があるからだ。



カウアンさんらが売れるために自分の体を犠牲にしたことは、決して誇れることではないだろう。



でも芸能界の枕営業や、一般の若者の間でも買春など性的な搾取が蔓延していることは昨日今日始まったことではない。


現実の問題として受け止め、もっと包括的な性教育を大人も子どもも学ぶ必要がある。


それを果たしていない教育現場にも責任がある。


加害者に甘く、被害者に厳しい法律のあり方も問われている。


若者として、性被害者として、教育面でも法律面でも圧倒的に不利な立場にいながら、事務所の恩恵を受けたなら、性加害について黙っていろというのは、違う。

 

被害者として反省する面があったとしても、嫌だと感じた経験を話して、心の重荷を下す権利に時間制限などない。


事務所に所属している間、あるいはジャニー喜多川が生きているうちに告発できたら良かったのだろうが、事務所やジャニー喜多川から直接恩恵を受けているうちは、事務所を辞めて独立する覚悟がない限り告発できなかっただろう。

 

 

告発と同時に、売れるために性被害を我慢した事実を晒し、そこから生まれるだろう羞恥心や背徳感を覚えながら生きていかないとならないだけでも、カウアン岡本さんは十分対価を払ったのではないだろうか。

 

ジャニー喜多川や事務所の罪は計り知れない

ジャニー喜多川は死去しているので、今は事務所で被害者はいないという主張は論外。



仮にジャニー喜多川が死去した後に事務所での性犯罪がいっさいなくなったとしよう。

 

それでもジャニー喜多川が犯した膨大な性犯罪による社会への破壊力は計り知れない。


約60年前から告発が続いていて、カウアン岡本さんが現役の時点で被害者が数百人規模いるとしたら、合計では千人規模、件数にしたら1万回はくだらないだろう。

 

 

性犯罪が、特に人格が形成される途中の若者に与える精神的な損害は、明るみに出辛いからこそ深刻だ。

 

 

適切な精神治療を受けずにいると、鬱や自殺、他人への虐待に繋がるなど、被害が拡大する可能性が高い。

 

 

虐待は世代間連鎖を起こしやすいので、現役ジャニーズの子孫の何代も先までその影響が及ぶだろう。

 

 

しかも、ジャニーズ事務所が許されるという事例を作ってしまうと、芸能界のみならず、他の業界や家庭内でも、性被害を黙認する体質が定着してしまう。




情報を伝えることが本業であるはずのテレビ業界で、ジャニー喜多川の件がタブーとして扱われているのが際たる例だ。

 

 

③同意:他のメンバーの名前を公表したり、売れているメンバーのことまで言及するのは、やり過ぎ


他のメンバーも性被害を受けていると告発することで、メンバーやその家族に迷惑がかかるという意見に対しては同意だ。

 

 

カウアン岡本さんが自身の被害体験に限定して告発するのは自由。



けれど、被害を受けた他のメンバーの名前を上げたり、今売れている人たちはほとんど性被害にあっているとまでは、言わない方がいいと思う。

 

 

まだ被害に向き合えずに、ジャニーズで生計を立てようと割り切ることで精神を保っている人や、以前は所属していたというだけで、他人から興味本位の質問をされ、余計に苦しい思いをするかもしれない。



家庭を持っている場合は、家族にも迷惑がかかってしまうかもしれない。

 

 

癒しにつながる話し合いになればいいが、人間関係のもつれになってしまう可能性もある。

 

 

影響力を持てば持つほど、言葉の重みが増すことを考えると、他人の話は極力控えた方がいいだろう。

 

 

規模の大きさを語ることでより注目を集められるかもしれないが、自分一人の被害体験を話すだけで、十分。

 

 

一人でも多すぎるからだ。



自分の告発を後に続いてくれたらいいなという気持ちもわかる。



でも告白のタイミングは、個人的な条件や状況が複雑に重なって、ある時にできたり、できなかったりするもの。

 

 

むしろ今回一気に注目を集まったことで、否定するのに必死になって、自発的に話すタイミングを逆に逃した人も大勢いるだろうと想像する。


有名になったタイミングで、本名や顔出しして告白した方が、信用度が高いし、注目度が違うのは確かだけど、やり方次第で失うものも大きいだろう。

 

 

勢いに任せてそこまで考慮する余裕もなかったのかもしれないけれど、声を上げられない人が余計に苦しまなければと願う。

 

 

例えば、我が家では、性犯罪者が父親や私も含めて身内なので、人類三代タブーの一つである近親姦被害にあたり、性犯罪の中でも圧倒的にタチが悪い。

 

 

なぜなら、業界レベルをはるかに超えた人類共通の問題で、社会の基礎となっている家庭内で起きているにもかかわらず、監視が行き届かない。

 

 

だからこそ、より一層光を当てる必要があると痛感している。


でも著名人でもない私が、信用度と注目度を犠牲にしてでも、顔出しをせず、匿名で性被害・加害体験をブログに書いているのは、きょうだいに迷惑をかけられないからだ。

 

 

今はリーチ力に欠けるかもしれないが、死ぬまでの時間を使って、周りの人が自発的に告白できるような環境造りに貢献できればと思っている。

 

まとめ

友人は、とりわけ木村拓哉さんが好きで、娘さんたちまでにも迷惑がかかるのではないかと心配していました。

 

友人の意見は③がベースになっていて、感情的になり①と②を補足しているように聞こえました。

 

①と②は論外ですが、③の意見は単体で十分成立すると思います。

 

サムネ画像:Image by Irina L from Pixabay