p.30
「須藤ゆうたら、うちを強姦した男やろ」
p.35~36
小学校6年の終わり......このころには......地方公務員宅の二階に間借りをしていた。
母が夜の務めに出かけると......階下から浴衣姿のおじさんが上がってきて、「可愛いねぇ、おじさんと遊ぼうかぁ」と袂からお菓子を取り出し、、油の上に抱き上げられた。ぷんとお酒の不快な匂いがして、顔を背ける私に構わず、おじさんは頬ずりを繰り返す。三度目には、白熱電球のスポットライトを浴びた、裸のキューピーの私が立っていた。観客のおじさんは、脂ぎった赤ら顔を酷悪に歪めて、声を潜め「可愛いねぇ」と褒めそやす。恐い! 翌日からは、母がいなくなると押し入れに飛び込んだが、トイレを我慢できずに、四野見足でトイレに行くと、顔中笑顔のおじさんが階段を上がってくる。
「いい娘だね。お母さんには言わないでね。その代わりおじさんがお人形を買ってあげよう」
私は当時流行だったミルク飲み人形が欲しくて、もらった三千円を握りしめ、おじさんのざらついた手を我慢した。
もちろん性には無知ではあったが、私はこの時に、女の躰がお金になることを本能的に感じ取ったのかもしれない。
今度は電気も点けず、トイレにも行かずに押し入れに飛び込んだら、おねしょをしてしまった。何日もそんな日が続くので、不思議に思った母が尋ねると、
「夜、おじちゃんがくるのぉ......」
大騒動になったのは、ご想像の通り。
p.38
中学二年の初め......部屋にいた男に、突然押し倒された......。私は......ありったけの力を振り絞って格闘した。
p.53
「足を開いて早く!」