【22】年末年始の作りおき完成
第一拠点で目が覚めた。
大通りの騒音があったが、昨日は耳栓をしたからか、睡眠がとれた。
キッチンは年末年始の作りおきのやりかけが、昨日の夜のまま。彼はまだ帰宅していなかった。
作業に取り掛かっている途中、彼が帰宅。
彼は疲れているようだった。昨日の晩、泊まることは伝えていた。
「で、今回はなにをしに来たの?」
「今日から三ヶ日までの食事を作りに来たの」
「あっち(第二拠点)でやった方が効率良くない?」
「うん、あっちで作ってきた物もあるよ」
「なんでこっちでもやってるの?」
「あっちで作ったのを全部こっちに持ってくるのは大変だから」
「なんでこっちに持ってくるの?」
「あなたがこっちにいるからでしょ?!あなたのために作ってるの」
「またまた」
「またまたってなにが?」
「綺麗事言っちゃって。なにが目的なの?」
「三ヶ日までお店が休暇を取る間、仕事が大変なあなたが健康的なものを食べられるために」
「信じられない」
「えーどゆこと」
「綺麗事じゃなくて、例えば、"貴方のお金のためよ"とかって言われた方が気持ちいい」
「え?わかった。貴方の時間が欲しいの。貴方と一緒に過ごす時間が。だから、健康的な食事をとって欲しいけど、三ヶ日は飲食店も閉まるでしょう?でもそれに向けてスーパーでは豪華な食材が並ぶから、家でご飯作ってるの」
「そういう感じ」彼は満足そうだった。
「貴方の時間やお金が欲しいって言われたいの?」
「綺麗事を言ったうえで、綺麗事抜きのことを好きな人から言われたらキュンとする」
「そうなんだ」(というか、いま、好きな人ってサラッと言ったけど!うれしい)
私の彼は綺麗事が嫌いな人。甘い言葉はいならい。真実を尊ぶ正直者で、そんな彼のことが私は大好きなんだ。きっと彼は今みたいなことを「綺麗事」という。私としては正直に言っているのだが。
いつも私がすぐ不機嫌になって彼を疲れさせてしまうんだけど、私さえ機嫌が良ければ、私達は基本的にとても仲良し。私が落ち込んでいても、彼は比較的に早く切り替えてくれるし、お陰様で喧嘩は長引かない。
彼がお風呂から上がってから、ジューシーと雑煮と厚切りの蒲鉾をよそった。彼は炊き込みご飯が大好きなので感激していた。具材は、鶏モモ肉、昆布、干し椎茸、金時人参。雑煮の具材は、下茹でしておいた里芋、肉厚の椎茸、大根、金時人参、蒟蒻、三つ葉。
彼は美味しそうに食べてくれた。
食後に少々休憩。
ほとんど作り終わって、あとは日にち毎に分けて冷蔵や冷凍保存。
ご飯が少ないことに気づき、追加で炊き込みご飯を作ったが、急いでいたからか、少々硬い。酒をふりかけてみた。レンジで温める時にふっくらしてくれるといいのだが。
そんなことをしながら、おやつの時間はしっかりとる。
長崎県五島の名物かんころ餅。今日は「伊達のかんころ餅」を開封。5mmに切って、片栗粉を伸ばしてレンジでチン。こちら食感がすごいなめらか!食べ比べセットを買ったから、わかることだが、もう片方のものと明らかに食感が違う。好みだと思うが、私なら伊達のかんころ餅に一票を投じる。
彼が三ヶ日まで食べれる食事+弁当9日分無事完成。
帰り道に一昨日クッキーを買った焼き菓子屋で、林檎と生姜のマフィンを買った。当店一番人気と書いてあったら、気になる。マフィンは、美味しいと思ったことのない食べ物の一つなんだけど、こちらは違った。りんごの酸味、生地の甘み、りんごの周りのトロトロ感と対照的な、生地の程よいポソポソ感。これは買ってよかった。
第二拠点に戻ったらイワキ の耐熱ガラス容器が届いていた。これで作りおきマスターにわたしもなる。楽しみだ。
「よこの柿」という愛媛の柿を冷蔵庫から出して食べたら、ジュワッと果汁が出てきて、今まで食べた柿の中でナンバーワン。それほど美味しくて、驚いた。半分食べて、残りは明日。
湯たんぽのお湯を沸かした。
ゴミ出しした。