【17】できたこと・感じたこと
昨夜、彼のいる第一拠点で、大通りの騒音を揉み消そうと試みて付け続けた換気扇を消した。寝ようとしたもの、ほとんど眠れず朝が来た。
朝、私はかんころ餅と玄米餅を美味しくいただいた。彼は出汁の効いたお粥と鰤のほぐし身を美味しそうに食べた。好きな人が美味しそうに食べている姿をみると幸せな気持ちになる。
部屋を掃除して、シーツを洗って、整理整頓に昼ごはんの準備。
洗い終わったシーツを見たら、洗う前より汚れていた。ゴミ取り網の中ならゴミがあふれているのを見て、キレた。
せっかくキレイな水を使って洗濯機を使っても、ゴミを通しているから、依頼が洗う前より汚れて、結局こうやって手洗いしていたら、水と時間と労力の無駄遣いだし、そもそも洗濯機を使って洗濯をする意味がないよね⁉︎
私が彼と一緒に生活している時は私が洗濯機を使う前に網を掃除していたから、そこまでたまることはなかった。けど私が不在にするといつも、このように色んなものがどんどん汚れて、そのものの機能を失っていく。
高級なヘンプのシーツはなぜか破れる(彼が伸び切った足の爪を切らないからだと思う。高級なニッパーを買い与えたのに)、床には埃や毛が積もり、トイレの便器は黒ずみ、真っ白いサンダルはカビだらけ、壁はヤニだらけ……。
彼は、私が国内外を仕事や遊びのために飛び回ることを自由にさせてくれて、ありがたいけど、その代償は、帰ったら必ず、私がハウスダストに悩まされながら、不快な気持ちで何ヶ月分の汚れをディープクリーニングしなくてはならないという試練が待っていること。コロナ禍に海外で疎開していた理由のひとつとして、こんなに不潔な場所に帰りたいわけがないというのがあった。
どうしたらいいのだろうか。やっぱり、引っ越し先を見つけるまで、家政婦を雇うしかないのだろうか。彼に掃除のお願いをしてもやってくれなかったり、汚れが広がるだけだったり、全く期待できない。
私は掃除は得意ではないけど、嫌いでもない。毎日小まめにやってればなんでもないことが、何ヶ月分から一年分も溜まってるとなると、かなりの気力がないと、手強い。まずどこから始めていいか途方に暮れるし、始めたとしても直ぐには追いつかないし、その空間にいるだけで体調を崩し、エネルギーを消費する。日当たりの良い部屋なら、掃除も捗るだろうが、陽当たりが悪いだけでなく、騒音も酷い。最悪な場所だ。もう、こんな場所にお金も労力もかけたくない。引っ越す。
彼は「どこに引っ越しても私のイライラは治らないから引っ越す意味がない」という論点を展開して、それには一理あるかもしれない。でも、第二拠点に暮らしてみて、第一拠点で感じるようなイライラやストレスは感じない。とても心地がいい。第一拠点で払っていた家賃(三万円)を払っているけど、「高い」とは思わない。今も第一拠点には一万円だけ払っているけど、一万払うのも惜しい。要するに安い・高いと感じるのは金額ではなく、コスパ。わずか一万円であっても第一拠点の環境から奪われるエネルギーは、第二拠点で支払っている六万円以上のコストが掛かっていると感じるということ。
こういうことを言うと彼は、それなら早く荷物を処分して、名義を変えて、縁を切ろうと言い出す。
私は、彼と縁を切りたいのではなく、この物件との縁を切りたいのだ、と言う。
希望する引っ越し先の譲れない条件
◎南東角部屋(日差しが入る周辺の環境)
◎閑静な住宅街(大通り、地下鉄❌)
◎1DK以上
◎風呂の近くに洗濯機
◎バストイレ別
◎都市ガス
◎ガスコンロ一口、まな板置ける場所は必須
◎シンクは給湯器でなく、ひねるとお湯が出る
◎駅徒歩10分
◎収納、靴箱
◎駐輪場
△構造
△洗面所
△広さ
△家賃四万円台
井形慶子氏の『東京吉祥寺田舎暮らし』の一章「家賃四万五千円の御殿を発見」を読んで希望を持った。
井形さんの本を読んで、街の不動産に通う。これを日課にする。
賃貸だけでなく、一軒家も視野に。いざとなったら、家族の力を借りる。本当に快適な暮らしをするなら、それくらい視野を大きく持つ必要がある。