『きんしんかん:性加害のニワトリとたまご』

ある本がきっかけで、逃げるように東京に移住した日系アメリカ人の斎氣心。初めて心を開ける人に出逢うも、彼にDVをしてしまう。確執が長年ある母親のような自分に絶望した。原因は、母の「躾(暴力)」と女性ホルモンだと考え、低容量ピルYAZを服用したが、副作用で臨死した。古今東西の代替医療による精神治療を試行錯誤する中、幼児期に父親から受け始めた猥褻を自覚する。それでも問題が雪だるま化するため、両親に虐待の事実を問いただした。しかし己の被害を自他に明示できた瞬間、自分もきょうだいに性的加害をしていた記憶が蘇り...

【10】やりたくないことを辞めれば、やりたいことがわかる

やりたいことがわからない?

 

「やりたくないことを辞める」と、やりたいことが見つかる。

 

私の場合。

 

食べることが大好きなのに今、何が食べたいかわからない→自炊をやめた→満足できる食事ができるようになった。

 

もうちょい詳しく。

 

自炊したら食材の産地を厳選できるし、安定して美味しい食事ができるからと言い訳していたけど、本当は料理したくないから、自炊をする度に怒りが爆発していた。食材を買っても腐らせることもあった。

 

「自炊したくないなら外食すればいいじゃん」といわれても、外食したら素材の産地は分からないから放射能汚染による内部被曝の心配があるし、自分が住んでいる町にはリピートしたくなるほど美味しいお店が少ないから外食もできないと嘆いていた。今は収入もなく貯金を切り崩しているから外食は贅沢な出費でもあると思って我慢していたところもある。

 

八方塞がりで、自分が何がしたいか・何が食べたいかわからないと本気で悩んでいた。

 

「何をしたいかわからない時にはどうすればいいか」という答えを探していると「やりたくないことをやめる」という言葉を見つけて、それならできると思った。

 

まずは生理中の自炊をやめて、TKGやレトルトカレーを食べた。

 

生理が終わって心身共に順調になっても自炊をする気力は戻らなかったが、元気になったらレトルトカレーは食べる気にならないから、思い切って近場で外食した。すると、たまたま入ったベトナム料理店のフォーが美味しかった。翌日も気になっていた間借りカレーに入ると、とても好みの味だった。自分が住む町には美味しい店が少ないという先入観で、新しくできた店への先入観ができて食わず嫌いになっていたことに気づいた。

 

しかも間借りカレー店で、食いしん坊の女性と出会い、その方から美味しいお店を沢山教えてもらったり、一緒に食べ歩きをしたりして、徒歩圏内にも美味しいお店が沢山あることを教えてもらった。灯台下暗しとはこのことだ。

 

私も自分の足で地元のお店を開拓しようと思い、今日食べたいもの「カキフライ」を検索した。あいにくカキフライの旬には少々早いよう。産地も西日本のものに限定すると、選択肢が狭まってしまう。

 

でも時期になればカキフライも提供する日本料理店が今の時期は20食限定でアジフライ定食を出しているという情報を発見。掘り下げて調べると、食べログでもTOP5000だし、ウェブサイトからも食材へのこだわりが伝わってきた。これは絶対に間違いないと確信し、開店前に店に向かった。到着すると同じ時期に数名が列を作った。隣に洋食屋があり、カキフライ定食もあるようだが産地まではわからない。気持ちが一瞬揺らいだが、なんとなくアジフライの方が味が良いだろうと思ったので、並んだ。開店直ぐに入店できた。

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出てきたアジフライは盛り付けからいい、切り方からいい、そんじゃそこらのアジフライとは違います感を放っていた。実際に一口いただくと、ふわっふわ!!え!?と驚いて断面を見るとふっくらしていて水々しい。刺身用の真鯵を使用していると書かれていたが、それだけではない気がした。パン粉の付き方も繊細でなんか普通のアジフライと違う。コメも羽釜で炊いていて、味噌汁は味の骨で出汁をとっている。料亭の味を庶民的な価格でいただけるなんと良心的なお店なのだろう。しばらく放心状態だった。

 

ここまでクオリティが高いのに、行列が短いのも不思儀だが、こういう店を本当の意味で「隠れた名店」というのだろうと思った。

 

そして思い出した。私はこのような食への意識が高い良心的な飲食店でプロの味を噛みしめて感動し謙虚さを取り戻したかったかったんだということを。

 

「やりたくないことを辞めたら、やりたいことがわかった」件でした。