【5】中板橋の宿〜ときわ台
昨夜一泊した中板橋の宿(ドミトリー)。住宅街の中にあるので、外の騒音はほとんどなし。そういう意味では、今借りてる賃貸の環境より良くなった。
ベッドはふかふかで、アメニティに耳栓があり、女子部屋内にシャワー室とトイレがあることもありがたかった。水圧も良かった。
気になった点。軟骨鉄骨造なのか、下の階の人が、ドアをバダンと閉める音や、足音が聞こえたこと。
致命的なのは、ベッド内に太陽の光が差し込まないこと。
ルーフバルコニーはあるけど、北向きなので陽が当たらない。
ラウンジもあるけど、地下なので陽が当たらない。
比較的に安く(二千円弱)、静かめだけど、陽が当たらないので、連泊はしなかった。
チェックアウトは11時だったけど、8:45には出た。近くを流れる石神井川沿いを歩いた。太陽が当たって気持ちがよかった。
昨日、オオゼキで買った和歌山のみかんを食べながら、板橋中央図書館を目指した。
途中、うさぎと月がモチーフの橋があった。
板橋中央図書館。新しくて広くて、居心地良い……と言いたいところだけど、混んでいた。日曜日だからか。いつもなのか。もっと早くに着けば机に座れただろう。
辛うじて空いていたソファで、今日一日の計画を立てた。
今日は駒沢の宿に一泊すると決めた。
色んな宿に泊まって、自分の感覚を頼りに転々とすればいいや。と、昨日まではそう思っていたけど。ある程度、自分が泊まりたいエリアと払える価格が絞ると、長期滞在の方がコスパがいいことに改めて気づいた。
普段は冬は仕事で海外にいることが多かったけど、今年はコロナもあって日本にいるし、それなら東京にいる彼に近い方がいい。
そうなると、以前内見した中央線沿いにあるゲストハウスがいいんじゃないかなと。そこはドミトリーと同じくらいの価格だけど、個室なんだ。
起きてすぐに読書や計画やアウトプットをするには、書斎が必要だ。今日みたいに図書館に行っても机に座れないこともある。毎日カフェに行くのは、収入のない今の私には贅沢すぎると感じる。というか、カフェにかけるお金があるなら、落ち着く部屋に費やしたい。今はそういう段階。
今日泊まる駒沢の宿の女性専用部屋には、長方形の机があっていい感じだけど、全員で使ったら狭そう。勉強机のある個室が必要だ。
お腹が空いてきたので、ときわ台駅まで歩いて、割烹料理店に入り、日替わり(鯛のカブト煮)を頂いた。
第一印象、器がプラスチック。思わず、手の感触を疑ってしまった。
あら汁は普通に美味しい方だったけど、あくまで普通。
お浸しはキンキンで、冷蔵庫の冷気を骨の髄まで感じられた。
メインの煮物は可もなく不可もなく。
ご飯をいただいたのに、褒められることが何一つないのは、食いしん坊としては、侘しい。
百歩譲って、私が注文したものがたまたま微妙だっただけという可能性もあるだろう。けど、日替わりってある意味、勝負どころではないかと思うのだ。居酒屋に入って、お通しが「ふーん」みたいなところと「んまっ!?」ってところがあるみたいに。一番初めにメニューに書く日替わりは、いくら安くても「ふーん」じゃ、ダメだと思う。せめてお浸しは冷蔵庫から出して常温にしておく気遣い……。
もうね、食べることにうるさい自分が嫌になっちゃう。けど、このブログはこういう小さなストレスを溜めずに随時、発散するためにあるから、書いてる。
欲求不満になった私は、近くのスーパーで、キャラメルコーヒーケーキを購入。以前からちょっと気になってたけど、複雑な原材料を見るからに、味に関しては半信半疑だったので、タイムセールの時に試そうと決めていた。今日は10%オフになってた。
砂糖と脂は、私の胃袋と心を癒やしてくれるだろうか。
ときわ台駅。今日初めて乗った。初めて見た時から好きな佇まいだった。理由は、ふたつ。駅の看板が手書きっぽくて、レトロなところと、その縁が緑青だから。
そう言えば、ニューヨークにあった実家の部屋。ヤニだらけでボロかったから、自分でパテを塗ってヤスリをかけて、カラーのサンプルからミントグリーンの色を選んで塗ったんだっけ。
そうか。私がアラジンの石油ストーブcap-u288gが普通のタイプの3倍高くても欲しいのは、あのなんとなくレトロなデザインと「アラジングリーン」と言われている緑青の色だからだ。
なんで、私が欲しいものはいつも高いんだ?レア物だったり、プレミア価格だったり、とにかく普通に手に入るものより高価、嗚呼。と嘆いていた最近までの自分に教えてあげたい。
貴方はレトロなモノや緑青の色を「心地良い」と感じているんだよ、って。その心地良さを大切にしよう。
………
一旦、自宅に戻った。夜勤明けの彼は既に帰ってる時間。
ピンポンを鳴らして、鍵の開いてるドアを開けて部屋に入ると、彼はベッドで寝ていた。私がいないから、自由にできているのかも知れない。カーテンを開けて、私もベッドに潜り込む。私さえご機嫌なら、ふたりは仲良し。昨日は私も静かな環境で睡眠をとれたから、気持ちもスッキリ。
間もなく起きて、私がさっき気晴らしに買ったケーキを、ほうじ茶と一緒にふたりで食べた。そんなに期待してなかったけど、案の定の品質。不味くはないけど、甘すぎた。
今日の宿の予約を入れて、出かける準備をした。
Sフックと、アダプタと、着替えを持って、出発。
宿に無事着いたことを彼にLINEすると「おかえりなさい」というメッセージが返ってきた。
彼とはいつでもどこでも一緒なんだ。
自分にとっての心地良い場所を見つける旅はつづく。